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よい労働環境

今日は子どもの誕生パーティー。10-11歳の子ども達が12人も来てくれた。しかし、ものすごーいパワーに圧倒され、予定していたゲームはすっとんでしまった。大人と違って、子ども達ってただワイワイ騒いでいるだけでも何だか楽しそう。ご飯以外はほっておくことにした。あっという間の2時間がわけわからず過ぎていった。子ども達の帰った後は抜け殻になった私達。しばらく眠りこけてしまいました。子ども達のパワーってすごい!

さて、なぜスウェーデンに?のつづき。

3. 良い労働環境。
なんといっても労働環境が良いのです。先の医療訴訟対策、コストを現場の医師が始終考えなくとも良いことも、良い労働環境の一部です。それに加えて、種々の点で、医療従事者が長く勤め上げられる仕組みが整っています。それぞれの人生は異なって当然で、それに応じた努め方ができるのです。個人の人生設計に応じた柔軟な労働環境が整えられていると思います。

まず、基本的な労働条件はきっかり守られます。8時間労働が基本。当直の翌日は休み、あるいは休みたくなければその休みを年休に付加するか、金銭に換算するか選択できます。土日はきっちり休みます。そして、一般の祝祭日に加え、年間休暇が若い医者で4週間、40歳をこえると6~8週間も取れるのです。さらに驚いたことに、年間休暇をとると給与に休暇手当が加算される!休みをとった方が給料が良いのです。つまり、休暇をきちんと取りなさい!という方針ということです。

驚くことに、このような労働条件は、研究や学会活動をも含むのです。日本では日常診療以外の研究や学会活動というものは多少の補助はでるものの、給与に繁栄されないばかりか、日常診療の後に私的な時間を割いて行っているのがあたりまえです。残業当たり前の日常診療に加え、さらに研究のために無給残業、土日労働が当たり前。つまり、自分の向上のためなのだから、職場が責任を持つ必要はないというのが基本的な管理職あるいは国の有識者の考え方と思います。

一方、スウェーデンでは研究、学会活動も労働時間内に行うのが基本です。例えば一週間のうち3日は診療、2日は研究、学会活動という働き方が出来ます。研究や博士研究でも家庭を守れる仕組みがあるのです。それに加えて、個人的に意欲があって、無給でも自宅でも研究し続ける人はいますが、それは個人の自由裁量とされ、強制されはしません。もちろん、日常診療時間が減ったからといって給料は減りませんよ。研究も職務の一環です。

また、個人の事情に応じた労働条件を選択できます。例えば、私の場合は医師免許に必須な語学学校へ通う時間を得るために2年間50%雇用でした。男女にかかわらず、育児世代には50%, 75%勤務、当直無しというような努め方も許されます。

私にはこのような労働環境が得られる国があるというのは大変なショックでした。訴訟も金勘定もさほど気にせず、時間外労働は無いのが当たり前で、年間休暇が6週間!おまけに、語学学校へただで行かせてくれるは、論文書くために日常診療時間を組み替えてくれるは、驚きの連続でした。正式なスウェーデンの医師でなかった招待免許で診療中は研修医給与の50%勤務でしたから、年収200万円弱でした。それでも、帰る気など毛頭起きませんでしたね。義父にはよく「そんな給料で働くなんて馬鹿だ。早く帰れ」なんて怒られましたが(笑)。むしろ、このような労働環境を組めるシステムはどのように構築されているのか、に大変興味がわきました。


先週、Dr EdgarとEdward主催の大腸内視鏡セミナーがストックホルムで開かれました。Dr EdwardはDandryud病院の外科部長で消化器外科が専門。この度、Karolinska Huddinge病院、外科の準教授に栄転されます。彼は11年前に南アフリカから移住してきました。先週の会の打ち上げで、なんでスウェーデンに移住したのか尋ねました。

" It is same as you." 一年のつもりで留学に来たところ、あまりの労働環境の良さに移住を決意したのだそうです。当時の南アフリカは現在の日本の労働環境と非常に良く似ていると思いました。時間外は当たり前。主治医制で年がら年中がんじがらめだったそうです。

このような医師はKarolinska病院の私の周囲にはたくさんおられます。ドイツ人、イタリア人、ギリシャ人、ポーランド人、ハンガリー人に加え、アメリカ人だっています。どなたも優秀な医師ばかり。母国で過酷な労働環境に辟易した医師達が、給料よりも良い労働環境を求めて北欧に渡ります。日本にとっても他山の石では決して無いでしょう。若い世代は想像以上に言葉の壁を越えつつあります。アメリカで研修医を始める日本人医師が珍しくなくなりました。急増しています。

日本は労働環境を改善に動くでしょうか?少なくとも4年間、進歩は無かった。

日本有識者の思考パターンでは、むしろ、なにがしかの罰則規定をもうけて海外に渡れなくするかを考えるのだろうな、と私は邪推してます。なんせ、問題の根本を解決しようとせず、地方への強制配置を主張する日本のメディアや厚生省の一部の方がおられるのですから。。。
サンタ





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No title

ドクトル硝子さん、こんにちは。
ブログ再開されて、とてもうれしいです。
これからもよろしくお願いたします。

Re: No title

> ブログ再開されて、とてもうれしいです。
> これからもよろしくお願いたします。

ありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします。Fc2は快適ですね。更新の度に迷惑トラバとコメントがこないのはちょっとしたこととはいえ、せいせいします。

祝い! 「新居完成」

お引っ越し、お疲れさまでした。
それにしても日本の労働活環境は、悲惨の一言ですね。
ヒトとしての「基本的生活」が可能な最低所得からスタートすべき「給与体系」では無く、企業が出したい金額で「これだけ出すから働け、いやなら働きたい人間は他に沢山居る」という発想です。
衣食住の基本と人間としての尊厳が守られる程度でのプラスαを最低保証にするべきです。
正規の就職口を一旦失ったら、(或は最初から得られなかったら)復帰する事がほぼ不可能。
職を得ても、働く程に困窮する「ワーキング・プアー」が排出する社会、異常です。
ましてや、休暇や成人学習等ともなれば、完全に後進国。
政治が無関心では、国民は救われない。

Re: 祝い! 「新居完成」

> お引っ越し、お疲れさまでした。
慣れていないので、余計時間がかかりました。立ち上げって意外に大変ですね。

> それにしても日本の労働活環境は、悲惨の一言ですね。
そうですよね。ここまで、小さな政府を目指すなら、そもそも日本政府とはなんぞや?という議論に戻らなくてはなりませんね。以前、ある天下り事務長に「先生方をここで食わしてあげている」というような発言を聞き憤慨したことがあります。案外、日本の庶民は日本に生まれ、食わしてあげているので感謝せよ、くらいの目線かもしれませんね。政治に期待するしかないのですが、今のところ「生活第一」派は案の定、虐待されていますね。これが、日本の病理を象徴しているようです。庶民の生活第一を目指す国を作ろうとすると排除されるのですから。

おひさしぶりです

晴れて、スウェーデンでの医師免許取得、本当におめでとうございます。

国は違いますが、本国では経験豊富な医療従事者なのに移住先での免許取得の困難さに苦しんでいる人たちを身近に見ていますので、一大難事業だったことと思います。

日本の労働環境の問題は日本にいてはなかなか分からないようで、とかく個人のわがまま、能力や努力の不足に帰する風潮に危惧を感じています。

大卒でも就職口が見つからない若者は、折角のワーキングホリデーの制度を活用して、いろいろな国の様子を実地で見てくればいいと思うのですが、実際には内向き志向、保守化傾向が見られるようです。

Twitter で拾いましたが、これはなかなか鋭い現状分析だと思いました。

『菅首相は典型的なマジメ型日本人』
http://miyajima.ne.jp/index.php?UID=1291701710

これからも、更新されるのを楽しみにしています。
ご無理なさらないよう、お楽しみの範囲で(笑)

Re: おひさしぶりです

> 晴れて、スウェーデンでの医師免許取得、本当におめでとうございます。

ありがとうございます。
> 国は違いますが、本国では経験豊富な医療従事者なのに移住先での免許取得の困難さに苦しんでいる人たちを身近に見ていますので、一大難事業だったことと思います。

ニュージーランド、オーストラリアは厳しそうですね。私は英語力でアウトですね。

> 日本の労働環境の問題は日本にいてはなかなか分からないようで、とかく個人のわがまま、能力や努力の不足に帰する風潮に危惧を感じています。

そうですよね。個人の責任もあるけれども、悪労働環境やシステムエラーを個人に責任転嫁している風潮がありますね。

> 大卒でも就職口が見つからない若者は、折角のワーキングホリデーの制度を活用して、いろいろな国の様子を実地で見てくればいいと思うのですが、実際には内向き志向、保守化傾向が見られるようです。

加えて、親の経済力低下が進んでいるのではないでしょうか。さらにワーホリで年を食ってしまえば、普通の企業就職はまず無理なようですね。世界を知らない若者が増えるのはまずいですね。

> Twitter で拾いましたが、これはなかなか鋭い現状分析だと思いました。
>
> 『菅首相は典型的なマジメ型日本人』
> http://miyajima.ne.jp/index.php?UID=1291701710

読みました。つまり、現民主党はクリエイティブな仕事ができないということですね。早々に放棄して、先生の言う通りにやることしか出来ないということですね。

> これからも、更新されるのを楽しみにしています。
> ご無理なさらないよう、お楽しみの範囲で(笑)

いや、ホントにまじめに考えないようにしなくては。精神衛生に悪いです(笑)。
プロフィール

ドクトル硝子

Author:ドクトル硝子
2007年よりスウェーデンで働いています。趣味はカーリングとウインドサーフィン、そして旅。のんびり、まっすぐ、仲良く生きるのが好きです。Lagomとはスウェーデン語で”程よい加減””中庸”な感じ。程よい生き方ってなんでしょう?
Välkommen hos Doktor Glass blog. Jag är japansk som jobbar i Sverige. Jag skulle kunna skriva om japansk ämne på svenska. Jag letar efter ett lagom liv. Jag gillar mycket om glass (o^。^o).

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