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スウェーデンは落ち着いています。テロに試されるスウェーデン。

12月11日、土曜日にストックホルム中心部で北欧初の自爆テロがありました。ちなみに私の自宅から地下鉄で一駅というところです。生活圏だったこともさることながら、平和なスウェーデンで自爆テロが起きたこと自体が驚きでした。
テロ現場

テロのあったDrottningsgatanお妃通りは、南下して行くと王宮につながる参道です。犯人はノーベル賞授与式の行われたコンサートホールから2丁北側で車をガス爆発させ、ドロットニングガータンを歩いて南下し、Ålensオーレンスデパート手前で自爆しました。幸い軽傷者二名の被害で済みました。死亡者は犯人だけでした。

犯人は28歳男性、イラク生まれのスウェーデン市民。10歳の時に移住しました。詳しい生立ち、テロに至る背景などブログ「スウェーデンの今」に詳しいです。

テロが起きたばかりでしたが、12月14日、クリスマスプレゼントを買いに街へ出ました。ストックホルムは小さな街です。デパートを目指せば、テロ現場となったDrottningsgatan付近を通らねばなりません。通りは警察の数が目立つものの、日常とさほど変わりはありませんでした。

テロのあった方面を撮影。左手がオーレンスと地下鉄入り口。平日の午後一時です。
12-14ドロットニングガータン

開かれた社会への攻撃
13日のAftonbladetの社説より。政治部編集長Karin Pettersson。

フレドリック レインフェルト総理はテロ後の記者会見で大変賢明な考えを表明しました。まず、落ち着いて、思慮深く行動し、短絡的な結論を出さないこと。そして、民主的なプロセスでの調査は正当な手続きと時間がかかると述べました。なにより重要なポイントはこのスウェーデンの社会には守るべき価値があるということです。

爆弾テロの恐怖は私達の社会の安全性に疑問を投げかけました。とりわけ、この事件は私達の開かれた社会への攻撃です。この挑戦にどう対応するかは、私達がどのような社会を望むのかを問われています。それゆえに、レインフェルト総理の記者会見は重要で、期待がもてるものでした。

テロの背景も目的も広がりもはっきりしていません。はっきりしているのはスウェーデンはすんでのところで大惨事を免れたことだけです。

既に感じられるように、事件はスウェーデンを変化させています。今こそ私達、一人一人がどのような国に生きるのかを決める時です。すなわち、開かれた寛容な社会を望むのか、恐怖と猜疑心に満ちた閉じられた社会を望むのか。

開かれた社会は政治や治安組織により作られるものではありません。もちろんそれらは重要ですが、開かれた社会は一人一人の責任ある市民により作られるのです。

多くの国民がスウェーデンは寛容で、民主的で、全ての人間を人類みな平等と尊重することに裏打ちされた多文化国家であるべきだと主張します。言うのは簡単ですが、恐怖が現実となった時、実践することはとても難しいでしょう。

テロに対して、3つのことを主張します。
1. テロはいかなる目的や背景にかかわらず、認められない。
2. 決してテロリストと宗教や人種をごちゃまぜに結びつけるべきではない。
3. 開かれた、寛容な、多文化国家に住みたいのならば、唯一の方法はまさに開放的で寛容であることを実践し続けるのです。

まさに、スウェーデンを強い国にしてきた、この基本的価値観に団結するときです。これは私達、一人一人に責任があります。私達の開かれた、民主的な社会はこれより他に守られる術は無いのです。
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この一文、「多くの国民がスウェーデンは寛容で、民主的で、全ての人間を人類みな平等と尊重することに裏打ちされた多文化国家であるべきだと主張します。」

多くの日本人が信じられないかもしれませんが、スウェーデン人の本当に多くの人々が、この青臭い理想を主張します。まさに、スウェーデンの重要な価値観はここにあります。わたしが惚れるのも、おわかりいただけるでしょう?

事件の翌日のDrottningsgatanでの街の声。

Ulla 92歳 「全然恐くないわ。怖がればテロリストの思うつぼよ」 まぁ、92さいだからって気もしますが。
Sara 15歳 「いいえ、ほとんど気にしないわ。またすぐに起きると思わないし」
Christer 50歳 弁護士「はい、ちょっとここにいるのはやな感じだね。でも、今はたくさん警察がいるから安心です。」
Anna 33歳「ちょっとやな感じね。でも、わざわざ通りを避けたいとも思いません。」
Els Marie 80歳「全然、恐くないね。へんなやつはどこにでもいるもんだよ。こんなことはソウしょっちゅう起きるものじゃないよ」

ティーンネイジャーと超高齢者が恐いもの知らずですねぇ(笑)。子育て世代、現役世代は多少、不安感を感じているようです。この辺は責任の大きい年代ですからね。納得の傾向ですね。

日本では移民政策の失敗であるとか、不安定なヨーロッパが北欧にも波及したとの見方をされる向きもあるようですが、それは的外れだと思います。大勢はひとりの狂信者による事件と捉え、移民問題とのリンクはないですね。

むしろ、この事件は安定していた社会が、揺らいで行くのか、疑心暗鬼な閉じられた国へ移行するのか、まさにスウェーデンに課されたテストとなるでしょう。

28歳のテロリストは両親と共に高校までスウェーデンですごしました。2001年のアメリカ同時多発テロ事件後、イギリスでテロリストと接点をもったようです。妻と3人の子持ちでした。いったいどういう思いで、自爆したのでしょうか。もし、アメリカがイラク侵攻をしなければ、アフガン侵攻をしなければ、この将来有望な若者は過激派に洗脳されるような機会もなかったでしょう。異国で平和な暮らしをしていると、かえって母国への義憤が募ることもあるのじゃないでしょうか。その純な気持ちをテロ集団に利用されやすいのかもしれません。彼もテロの2次犠牲者であると感じます。こういうテロリスト達に惑わされる若者が増えないためにもスウェーデンの価値観を守ることが大事だと思います。

今回のテロは運良く失敗したとされますが、本当に失敗だったのでしょうか?どうにも本当に人々を殺傷したかったのなら、車を爆破させた場所も、自爆した場所も不自然に思えます。わざわざ、脇にそれたところで爆発しているように思えます。一応、目的地付近には来たものの、殺傷にためらいがあったように感じます。すんでのところで、スウェーデンへの思いを馳せたのではないかと、想像しています。私はお人好しがすぎるかもしれませんね。

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プロフィール

ドクトル硝子

Author:ドクトル硝子
2007年よりスウェーデンで働いています。趣味はカーリングとウインドサーフィン、そして旅。のんびり、まっすぐ、仲良く生きるのが好きです。Lagomとはスウェーデン語で”程よい加減””中庸”な感じ。程よい生き方ってなんでしょう?
Välkommen hos Doktor Glass blog. Jag är japansk som jobbar i Sverige. Jag skulle kunna skriva om japansk ämne på svenska. Jag letar efter ett lagom liv. Jag gillar mycket om glass (o^。^o).

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