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良い教育環境

なぜスウェーデンに?の続き。最終話。

4. 良い教育環境。

労働環境の良さに魅了されたのはもちろんですが、家族の生活が犠牲になっては滞在することはかないません。なかでも、子供の教育は大きな問題です。教育には学校教育と家庭教育そして社会環境が強くかかわると思います。それらを総合的に考えたとき、私にとってはスウェーデンで育てた方がよいのではないかと思えました。

私は息子が通っている小学校の授業と学校生活に大きな不満を抱かず、満足しています。私達は日本の小学校と直接比較できません。ここでは、私達がRödabergskolan赤い丘の学校で経験してきた良かったこと、気に入っていることをご紹介したいと思います。

愛しのティーチャーブリッド
まず、小学校一年生に編入した時。しょっぱなからやられました。日本人両親のコミュニティーでは"伝説のティーチャーブリッド"と呼んでいる、素晴らしい先生に出会いました。2007年5月、英語もさほど出来ぬ両親と子供がどぎまぎして、緊張して登校した初日。初老のブリッド先生は教室の前で待っていてくれ、見たことも無い私達を見つけるやいなや暖かく出迎えてくれ、息子を抱擁し、手をたずさえて、息子の名前のついた荷物置き場へ案内してくれました。こうして、緊張をすぐに解いてくれ、暖かく小学校へとけ込ませてくれました。小学一年生の親は親の初心者です。このベテラン教師はそれをお見通しのように親子丸ごとすっぽりと暖かな愛情で包んでくれました。

ブリッド先生は一年生をおわっても、ずーっと子供にも両親にもいつもにこやかに声をかけてくれ、温かい言葉をかけて安心させてくれます。スウェーデンは小中学校が一つの学校です。この学校では、子供同士のケンカがあるとブリッド先生がしばしば登場します。中学生になり図体がでかくなってもブリッド先生にはかないません。そりゃそうですよね。小学校一年のはなたれ小僧からずっと成長を見守ってくれたおばあちゃんのような先生の言うことに逆らえるはずがありません。

豊富な体験学習
小学校2年生から授業内容も少しづつ、しつけも少しづつ厳しくなります。とはいっても日本の教科書、授業内容と比べると量は少ないかもしれません。でも、しょっちゅう体験学習があります。毎月のように美術館だ、博物館だ、公園でランニングだ、生物学習だ、キャンプだ、バレエくるみ割り人形だと出かけて行きます。

あんたたち、いったいいつ勉強してるの?って、ときには苦笑するほどです。

ストックホルムで昼にバスにのっていると、よく学校の先生に引率された子ども達が小遠足あるいは体験学習へ行く光景を見かけます。私はこのプログラムをとても気に入っています。出かける子ども達はいつも楽しそう。細かいことは覚えてこないけど、大人になった時に、興味を持った時に体験の引き出しを開けてくれれば良いと思います。小学校では生きる喜び、楽しさ、ものごとに興味を持てる感受性と疑問にとりくむ力を養ってくれればそれで良いと思います。

子供に考えさせる面談
学校では年に2回、親子と先生の面談があります。ここでは息子に足りないことや問題点を息子に直接はなし、相談し、半年計画の目標を立てます。どの先生にも共通していたことですが、決して頭ごなしに非難したりせず、子供を対等な関係として話し合います。そして、自分でどのように解決したら良いか導かせるのです。私の経験では子供の頃は先生と親から上意下達で、従うべしという感覚だったのですが、当地では相談しながら自分で考えさせます。そんなに多くのことを求められるのではありませんが、この面談では親と先生、子供の間柄は同じ高さで、一緒に問題を解決して行こうという意志が息子に伝わるように感じます。そして、子ども達に問題解決へ向かう思考能力を授けるように思います。スウェーデンの子ども達は自分の意見を小学生高学年ともなればしっかり主張し、臆すること無く質問ができます。大人と意見交換をし合える空気が醸成されていると感じます。このような教育方針の効果が多分にあるのではないでしょうか。

語学教育
息子の小学校は幸い、ストックホルムにある公立校で英語クラスのある学校です。ですから、普段は英語で学んでいます。そして、現在、スウェーデン語学習もけっこう進んできました。日本人学校にも通ってますから、なんとか3カ国後を学んでいます。これは今後の糧になると思います。日本でも英語教育は盛んですが、普段から使う必要の無いところでは、なかなか続けられるものではありません。さらに中学から第二外国語が始まります。高校では望めばイタリア語、フランス語、ドイツ語、中国語、日本語など6から8カ国後のうち一つを選択できます。北欧の小国が世界と渡り合うためには語学力が欠かせません。北欧5カ国全てが外国語教育に熱心です。

この他、スウェーデンでは母国語教育に対し、国から補助がでます。スウェーデンに移住してきた各国の子ども達に対し、通常の授業とは別に母国語教育のために教師を派遣し、その費用に対し補助がでます。スウェーデンに移住したのだから、スウェーデン語のみ出来れば良いと言う考えではなく、母国を離れているにもかかわらず、母国語を失わせないように援助します。私の息子が日本語学習をさせたいと願えば、学校の放課後に日本語の先生をお願いすることができる訳です。スウェーデン語と母国語を維持した移民の子供達が将来、スウェーデンの交易を支え、スウェーデンに貢献してくれるのじゃないでしょうか。

自由と平等、平和を尊ぶ国際感覚を育てる教育
しかし、語学だけできても国際的な人間に育つとは私は思いません。外国語は意思疎通のツールにすぎません。私がこの学校で、最も感心することは異文化を尊重する教育、平和の大切さを教える教育、個性の違いを尊ぶ教育です。小学校の一年生のうちから、宗教の授業、各国のお国柄を知る授業、反戦、平和教育があります。学校には世界80カ国弱からの生徒が通っているそうです。彼らはキリスト教、イスラム教、ヒンズー教、ユダヤ教、仏教etcなどがあり、それぞれの食文化、宗教文化の違いがあり、違いを尊重するよう習います。宗教にかんする対立と偏見はお互いを知らぬことから生まれる訳ですが、お互いを知り、違いを尊重する教育が初期から始まります。

異文化教育も盛んです。授業で各国のお国自慢、紹介はよくあり、一年に一度は国際デーと称し、お祭りがあります。このように各国の人とふれあい、話せば、親しみが芽生えるのは当然だし、国の垣根が低くなります。

反戦、平和の価値をことあるごとに学びます。スウェーデンは約200年戦争をしていないことが誇りです。日頃からスウェーデン人はしばしば戦争をし続けている国に対して強い批判を展開します。それに対し、戦後60年、戦争をしていない日本に対して、多くの日本人が意識していないにもかかわらず、高く評価をする人もいます。学校で、声高に常に反戦、平和と習う訳ではありません。でも、よく演奏される音楽はスウェーデンの代表的な反戦歌" Jag hade en gång en båt" だったりジョンレノンの" Imagine"なわけです。

スウェーデンの寛容で開かれた社会、人々は平等であり、異文化を尊重する社会、平和な社会を築くための教育は、このように幼少の時から始まる訳です。これがこの学校で学ばせて一番よかったことだと思います。息子はどこへいっても誇れる大事な価値観を学んでいると思います。

つづきます。

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No title

何だか良い事ずくめですね。
私が居るフランスは、日本に比べれば遥かに素晴らしい事だらけですが、反面ダメだと思える事柄も多々有ります。
世界の先頭で影響力を行使し続けようとすると、矛盾が出て来る物なのでしょう。
世界の先頭からは一歩下がって、静かに自分達の幸せを守ってく存在、が良いのかもしれませんね。

もちろん、よいことばかりでもありません

> 何だか良い事ずくめですね。
> 私が居るフランスは、日本に比べれば遥かに素晴らしい事だらけですが、反面ダメだと思える事柄も多々有ります。
> 世界の先頭で影響力を行使し続けようとすると、矛盾が出て来る物なのでしょう。
> 世界の先頭からは一歩下がって、静かに自分達の幸せを守ってく存在、が良いのかもしれませんね。

もち、よいことずくめではありません。しかし、寛容で開かれた社会を維持しようとする国づくりや、国民、市民の連帯を形成しようとする賢い国づくりは感心することも多いです。少なくとも私は暮らしやすいと感じます。ご指摘の通り、スウェーデンは良いとこ取りの傾向はあると思います。でも、政治はけっこう実験国家といわれるほど、試行錯誤を繰り返してるんですよ。
プロフィール

ドクトル硝子

Author:ドクトル硝子
2007年よりスウェーデンで働いています。趣味はカーリングとウインドサーフィン、そして旅。のんびり、まっすぐ、仲良く生きるのが好きです。Lagomとはスウェーデン語で”程よい加減””中庸”な感じ。程よい生き方ってなんでしょう?
Välkommen hos Doktor Glass blog. Jag är japansk som jobbar i Sverige. Jag skulle kunna skriva om japansk ämne på svenska. Jag letar efter ett lagom liv. Jag gillar mycket om glass (o^。^o).

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